村山からだバランス鍼灸整骨院

上毛新聞に掲載された不定愁訴に関する記事(オピニオン21)視点#1

2025/06/02

当院には難治性の患者様が多数来院しているが、その過半数が歯科医院や身体施術院で改善されないので転院してきた方々だ。中には10年以上も繰り返し転院をして、その末に辿り着いたいわゆる治療難民もいる。ここでふと思う。「何故10年以上も転院を繰り返したのに改善しなかったのだろう」と。

察するに原因が一つではなく複数で、それらが複雑に絡みあった結果として原因不明の痛み(不定愁訴=ふていしゅうそ)になったのだろう。だとすれば歯科医院と身体施術院が情報を共有していたら改善したかもしれない…などと考えてしまう。すなわち、どちらか一方では治療の限界があるのかもしれないと考えるのは道理である。

一般的に歯科医師は全身治療の知識が乏しいことが多く、身体施術家は歯科治療の知識が乏しいことが多い。でもそれは至極当然のことで、魚料理で例えるなら寿司屋とイタ飯屋の調理概念の違いと同じことだ。かくいう私にも特別な技術や知識があるわけではない。確かに複合治療家を自負してはいるが技術や知識は平均的なレベルである。つまり医療人としては十人並みなのだ。にも関わらず当院で多くの方々が改善するのはなぜか?答えは簡単。先述した歯と全身の関連性をたまたま知っているというだけだ。

数年前までは歯科医院と身体施術院の双方が協力し合うことはほぼなかった。しかし近年は増加しつつあるものの、未だに一部の歯科医院や身体施術院では「こちらには関係無い」「あちらには理解できない」などと言っている。なんという詭弁で自己完結なのだろう。既に時代は変わっているのに。本当に悲しくなる。

そもそも私が手掛けたからといって全ての症状が改善するなんてありえない。しかし多くの難治性病変が改善したのも事実。餅は餅屋というように医療人にだって得手不得手がある。ならば先述の歯科医院や身体施術院は「当院では対応していません」と宣言する勇気を持つべきである。なぜならば患者様の時間と医療費が無駄になりかねないからだ。逆に我こそはという歯科医師や身体施術家は複合医療に興味を持って欲しい。さすれば今以上に苦しむ方々が減るだろうと思われる。

開口困難で来院したご婦人は、術後にあくびが楽にできるようになった。それだけなのに涙ながらに「ありがとう…ありがとう…」とつぶやきながら帰っていった。私はこの御婦人を思い出す度に心が痛む。またここでふと思う。「何て皮肉なことだろう」と。私達が必要とされるときは必ず誰かが苦しんでいる時なのだ。むしろ誰かが不幸にならなければ私達は評価されないのだ。だからこそ治療難民の方々を快方に導くことは、我々医療人の使命に他ならないのではないだろうか

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