上毛新聞に掲載された不定愁訴・顎関節症に関する記事(オピニオン21)視点#5
2025/06/30

このコラムも5回目となったがそれなりに好評価のようで、度々お褒めの言葉を頂戴している。大変有り難いことであり感謝している。しかし性格がゆがんでいる私は「これは大失敗する予兆なのかもしれない」などと思い素直に喜べない。
先日当整骨院に通院する中学生の親御さんから「子供にも整骨院が必要だってことを知らない親が多い」と伺った。確かに子供の関節痛を成長痛というくくりにまとめてしてしまう親は多いようである。今回はそんな話。
ある本に書いてあったのだが、スポーツ外傷による関節痛の多くは体の前後左右のアンバランスが原因らしい。例えば右足の怪我をかばっていたら左足の関節が痛くなる。これは右足をかばうことによって左足へ過剰に負担をかけることが原因だ。
逆に長時間のデスクワークでも関節痛となる。これはずっと同じ姿勢を続けると循環障害や神経障害を引き起こすからである。例えば長時間正座をすると足がしびれて痛くなる。これは足の甲を持続的に圧迫すると血流が止められて神経が圧迫されることが原因だ。
運動などで体がゆがむことが多いのは子供で、仕事などで体がゆがむことが多いのは大人というところか。
更に子供の柔らかい体はゆがみやすく戻りやすいのに対して、大人の硬い体はゆがみにくく戻りにくい。
ということで関節痛には動きによるものと同じ姿勢によるものとがあるのだが、これら二種は近年では10代で多く見られる現象なのである。すなわち「部活動」と「ゲームと学習塾」だ。ここで注目すべき点として、大人は仕事帰りに自分の意志で通院できるが子供は学習塾帰りに自分の意志で通院したりしない。つまり親に話して初めて通院可能となることが多い。大人が自分の意志で自分を治すのならば子供を例外にしてはいけない。それには親が子供の体のバランスに注目し、痛みの訴えに対して慎重になるべきである。
歯でも同じことがいえる。例えば左だけで噛み続けると左の歯やあごが痛くなることなはいだろうか。これはかたよった噛み合わせが引き起こす痛みである。それどころか成長期にバランスよく噛めないと成人後に顔がゆがんでしまうことがある。これは左右不均等の筋力の影響を受けながら骨が成長するからである。歯列矯正を例に挙げると開始年齢が早いほど歯が移動しやすく期間も短くなり、結果として骨がバランスよく成長する。いずれにしても親が子供の噛み合わせのバランスに注目し、痛みの訴えに対して慎重になるべきである。
当院の名称に「バランス」という一文が入っているのはこれが理由である。
そんな私も身体のゆがみを整えてバランス改善したいのだが、まずは性格のゆがみを整えて素直になるところから始めようと思う。